平安時代の疫病
2020年4月27日(月)
東京都での新型コロナの感染者数が二日続けて二桁に減少した、
と報じられていますが、ここで気を緩めては、元も子も無いことに
なってしまいましょう。いっそうの自粛に励むべきかと思います。
今日、八王子クラスの方とのメールの遣り取りの中で、 『源氏物語』
の時代にも「痘瘡(もがさ)」が流行し、人々がどんなに怯えていたか、
想像できますね、と書いたのがきっかけで、ちょっとそのことをブログ
で取り上げてみようかな、という気になりました。
当時の人々に最も恐れられていた疫病は「疱瘡(もがさ)」(天然痘)
です。致死率は20%~50%だったと言われ、新型コロナどころの話
ではありません。
古くは奈良時代の天平9年(737年)の大流行で、国政の中心にいた
藤原四兄弟も全員が罹患して亡くなってしまったことは、よく知られて
います。
1月の「今月の光琳かるた」でご紹介した藤原義孝(その記事は➞こちら)
も疱瘡で天延2年(974年)、双子の兄・拳賢と共に21歳の若さで命を
落としました。義孝の子の行成も、疱瘡の痕が、あばたとなって顔に
残っていたそうです。
また、兄・道隆の没後、関白となった道兼も長徳元年(995年)、就任後
間もなく疱瘡で死去、そのため「七日関白」と呼ばれています。
長くなりますが、もう一人。弾正宮為尊(だんじょうのみやためたか)親王。
この方は冷泉天皇の第三皇子で、和泉式部の恋人だったことで有名です。
因みに、『和泉式部日記』は、為尊親王が亡くなって一年後に始まった、
その弟の敦道親王との恋を綴った歌日記です。
『栄花物語』(巻第七「とりべ野」)によると、長保4年(1002年)に、疱瘡が
大流行して、「弾正宮うちはへ御夜ありきの恐ろしさを、世の人『安からず
あひなきことなり』と、さかしらに聞こえさせつるに」(弾正宮が、夜な夜な
続けて外出なさっていることの恐ろしさを、世間の人は『心配でよくない
ことだ』と、差し出がましくもお噂申し上げていたが)、当の宮は、路上に
死骸が溢れているような状況に目もくれず、この頃は、和泉式部などに
ご執心だった、と、その行状が記されています。そして人々が案じた通り、
病に侵され亡くなられました。
でも、いつの世にもこういうタイプの人っているんだなぁ、とも思いますね。
東京都での新型コロナの感染者数が二日続けて二桁に減少した、
と報じられていますが、ここで気を緩めては、元も子も無いことに
なってしまいましょう。いっそうの自粛に励むべきかと思います。
今日、八王子クラスの方とのメールの遣り取りの中で、 『源氏物語』
の時代にも「痘瘡(もがさ)」が流行し、人々がどんなに怯えていたか、
想像できますね、と書いたのがきっかけで、ちょっとそのことをブログ
で取り上げてみようかな、という気になりました。
当時の人々に最も恐れられていた疫病は「疱瘡(もがさ)」(天然痘)
です。致死率は20%~50%だったと言われ、新型コロナどころの話
ではありません。
古くは奈良時代の天平9年(737年)の大流行で、国政の中心にいた
藤原四兄弟も全員が罹患して亡くなってしまったことは、よく知られて
います。
1月の「今月の光琳かるた」でご紹介した藤原義孝(その記事は➞こちら)
も疱瘡で天延2年(974年)、双子の兄・拳賢と共に21歳の若さで命を
落としました。義孝の子の行成も、疱瘡の痕が、あばたとなって顔に
残っていたそうです。
また、兄・道隆の没後、関白となった道兼も長徳元年(995年)、就任後
間もなく疱瘡で死去、そのため「七日関白」と呼ばれています。
長くなりますが、もう一人。弾正宮為尊(だんじょうのみやためたか)親王。
この方は冷泉天皇の第三皇子で、和泉式部の恋人だったことで有名です。
因みに、『和泉式部日記』は、為尊親王が亡くなって一年後に始まった、
その弟の敦道親王との恋を綴った歌日記です。
『栄花物語』(巻第七「とりべ野」)によると、長保4年(1002年)に、疱瘡が
大流行して、「弾正宮うちはへ御夜ありきの恐ろしさを、世の人『安からず
あひなきことなり』と、さかしらに聞こえさせつるに」(弾正宮が、夜な夜な
続けて外出なさっていることの恐ろしさを、世間の人は『心配でよくない
ことだ』と、差し出がましくもお噂申し上げていたが)、当の宮は、路上に
死骸が溢れているような状況に目もくれず、この頃は、和泉式部などに
ご執心だった、と、その行状が記されています。そして人々が案じた通り、
病に侵され亡くなられました。
でも、いつの世にもこういうタイプの人っているんだなぁ、とも思いますね。
ラジオ体操
2020年4月21日(火)
普段から特別な運動をしているわけではありませんが、それでも
コンスタントに仕事に出掛けていれば、それなりに運動になって
いるのではないかと思います。
巣ごもり生活も二ヶ月になると、運動不足は明らかで、時折散歩も
していますが、一番手っ取り早いのはこれかな、と思い、このところ
一日一回やっているのが「ラジオ体操」。
2月で『源氏物語』を読み終えた淵野辺のクラスでは、休憩時間に
幹事さんがスマホで「ラジオ体操」を流して、皆で身体を動かして
いたのを思い出します。
今は、NHKの「テレビ体操」の時間内で行われる「ラジオ体操」を
録画して、それを見ながら、僅か3分ですが、やらないよりはマシ、
と思って続けています。

子どもの時に覚えた動作って、不思議に忘れないものですね
普段から特別な運動をしているわけではありませんが、それでも
コンスタントに仕事に出掛けていれば、それなりに運動になって
いるのではないかと思います。
巣ごもり生活も二ヶ月になると、運動不足は明らかで、時折散歩も
していますが、一番手っ取り早いのはこれかな、と思い、このところ
一日一回やっているのが「ラジオ体操」。
2月で『源氏物語』を読み終えた淵野辺のクラスでは、休憩時間に
幹事さんがスマホで「ラジオ体操」を流して、皆で身体を動かして
いたのを思い出します。
今は、NHKの「テレビ体操」の時間内で行われる「ラジオ体操」を
録画して、それを見ながら、僅か3分ですが、やらないよりはマシ、
と思って続けています。

子どもの時に覚えた動作って、不思議に忘れないものですね
「いいね!光源氏くん」
2020年4月13日(月)
昨夜、この辺りでは震度3の地震がありました。震源地は茨城県で、
最大震度は4だったそうです。今日も長野県で震度4との情報が
伝えられていました。
大雨による土砂災害の危険性のため、千葉県では避難勧告も出た
ようです。
新型コロナの感染拡大が続く中で、巨大な自然災害が襲って来たら
どうなるのかしら?と、心配性の私は、考え出すと眠れなくなって
しまいます。
ですから今は、出来るだけ面白いことを考えるようにして、今夜は
このテレビ番組をご紹介しましょう。
4月4日(土)からNHK総合で始まった「いいね!光源氏くん」。
2回目までが終わったところです。
舞台は今の東京。京から須磨への退去の途中、光源氏が一人暮らし
のOL沙織の部屋に迷い込んでしまった、という、実にハチャメチャな
設定ですが(内館牧子さんの『十二単衣を着た悪魔』は、現代青年が
『源氏物語』の世界にタイムスリップする話ですから、言わばその
逆バージョン)、これがなかなか面白い。
光源氏役は千葉雄大さん。私が初めて見たのは、もうだいぶ前の
大河ドラマ「平清盛」で高倉天皇を演じている時でした。イメージが
ぴったりだったので、いまだに覚えているのです。以後、この方が
出ているドラマは見ていませんが(テレビはあまり見ないので)、
今回の「光源氏」もハマリ役だと思います。
相手役の伊藤沙莉さん、初めて見る女優さんですが、この役が
こんなに自然に演じられる女優さんは他にないんじゃない?と
思われて、初回からファンになっちゃいました。とてもいい感じ!
2回目で私が一番笑えたのは、肩迄で切り揃えた髪を尼そぎ(平安
時代の女性の美しさは先ず第一に長い黒髪でしたが、出家して尼
になると、尼そぎと言って肩までに切り揃えていました)だと勘違い
している光源氏は、尼そぎスタイルの沙織のことも、尼だと思って
おり、それを知った沙織が、「私に言い寄って来ないのは、私に女と
しての魅力が無いのではなく、尼だと思っていたからなんだわ」と、
一人納得して、ニンマリしているシーンでした。
コロナで憂鬱な気分を、「いいね!光源氏くん」を見ている間は、
忘れることが出来ます。NHK総合毎週土曜日23:30~23:59、
おススメですよ。
昨夜、この辺りでは震度3の地震がありました。震源地は茨城県で、
最大震度は4だったそうです。今日も長野県で震度4との情報が
伝えられていました。
大雨による土砂災害の危険性のため、千葉県では避難勧告も出た
ようです。
新型コロナの感染拡大が続く中で、巨大な自然災害が襲って来たら
どうなるのかしら?と、心配性の私は、考え出すと眠れなくなって
しまいます。
ですから今は、出来るだけ面白いことを考えるようにして、今夜は
このテレビ番組をご紹介しましょう。
4月4日(土)からNHK総合で始まった「いいね!光源氏くん」。
2回目までが終わったところです。
舞台は今の東京。京から須磨への退去の途中、光源氏が一人暮らし
のOL沙織の部屋に迷い込んでしまった、という、実にハチャメチャな
設定ですが(内館牧子さんの『十二単衣を着た悪魔』は、現代青年が
『源氏物語』の世界にタイムスリップする話ですから、言わばその
逆バージョン)、これがなかなか面白い。
光源氏役は千葉雄大さん。私が初めて見たのは、もうだいぶ前の
大河ドラマ「平清盛」で高倉天皇を演じている時でした。イメージが
ぴったりだったので、いまだに覚えているのです。以後、この方が
出ているドラマは見ていませんが(テレビはあまり見ないので)、
今回の「光源氏」もハマリ役だと思います。
相手役の伊藤沙莉さん、初めて見る女優さんですが、この役が
こんなに自然に演じられる女優さんは他にないんじゃない?と
思われて、初回からファンになっちゃいました。とてもいい感じ!
2回目で私が一番笑えたのは、肩迄で切り揃えた髪を尼そぎ(平安
時代の女性の美しさは先ず第一に長い黒髪でしたが、出家して尼
になると、尼そぎと言って肩までに切り揃えていました)だと勘違い
している光源氏は、尼そぎスタイルの沙織のことも、尼だと思って
おり、それを知った沙織が、「私に言い寄って来ないのは、私に女と
しての魅力が無いのではなく、尼だと思っていたからなんだわ」と、
一人納得して、ニンマリしているシーンでした。
コロナで憂鬱な気分を、「いいね!光源氏くん」を見ている間は、
忘れることが出来ます。NHK総合毎週土曜日23:30~23:59、
おススメですよ。
姉からの贈り物(part3)
2020年4月11日(土)
今日はコロナへの恨み節は封印して、ちょっと明るい話題です。
この春、孫が中学生になりました。4月6日の入学式は生徒と教職員
だけで挙行され、保護者は屋外で待機だったそうです。翌日からは
休校が続いていますので、まだ本人も実感が湧かないのではない
でしょうか。
そんな中、姉が「中学入学祝い」と言って、地元の「あしたか牛」を
送ってくれました。富士山の南に連なる愛鷹山の山麓で成育されて
いる牛だとか。「孫(息子一家)用」だけではなく、ちゃんと我が家の
お相伴用も入って来たので、今夜、焼き肉にしていただきました。
う~ん、さすがに美味しい!普段スーパーで買う「和牛の切り落とし」
とはレベルが違います。柔らかくて、牛肉の旨味がダイレクトに伝わ
って来ました。たっぷりと栄養を補ったので、身体の抵抗力もUPした
はず。

ごくごくあっさりと、大根おろしにポン酢しょうゆで
今日はコロナへの恨み節は封印して、ちょっと明るい話題です。
この春、孫が中学生になりました。4月6日の入学式は生徒と教職員
だけで挙行され、保護者は屋外で待機だったそうです。翌日からは
休校が続いていますので、まだ本人も実感が湧かないのではない
でしょうか。
そんな中、姉が「中学入学祝い」と言って、地元の「あしたか牛」を
送ってくれました。富士山の南に連なる愛鷹山の山麓で成育されて
いる牛だとか。「孫(息子一家)用」だけではなく、ちゃんと我が家の
お相伴用も入って来たので、今夜、焼き肉にしていただきました。
う~ん、さすがに美味しい!普段スーパーで買う「和牛の切り落とし」
とはレベルが違います。柔らかくて、牛肉の旨味がダイレクトに伝わ
って来ました。たっぷりと栄養を補ったので、身体の抵抗力もUPした
はず。

ごくごくあっさりと、大根おろしにポン酢しょうゆで
「源氏物語のあらすじ」・・・第五帖「若紫」(その1)
2020年4月9日(木)
緊急事態宣言が出て三日目。東京をはじめ、都市部では
ますます新型コロナは感染拡大しています。テレビやネット
のニュースを見るのが怖いです。
昨夜息子から電話があったので、仕事の状態を訊きましたが、
テレワークなんて出来るわけないし、時差、時短などもなく、
以前と少しも変らない状況だと話してくれました。通勤電車も、
幾分乗客が少ない程度で、「密」を避けることなど不可能、
とのことでした。ライフラインの維持に必要なところ以外は
全て休業せよ、と要請してもらわない限り無理だね、と半ば
諦め口調でした。
テレワーク等が出来る企業なんて、一部でしかない、という
現実を、改めて思い知らされました。
『源氏物語』のかなり詳しいあらすじは、今回から第五帖「若紫」
に入ります。
「全文訳」では、2017年12月21日の「若紫」(1)、2018年1月8日
の「若紫」(2)、1月25日の「若紫」(3)に該当する箇所です。
「源氏物語のあらすじ」・・・第五帖「若紫」(その1)は➞こちらから
緊急事態宣言が出て三日目。東京をはじめ、都市部では
ますます新型コロナは感染拡大しています。テレビやネット
のニュースを見るのが怖いです。
昨夜息子から電話があったので、仕事の状態を訊きましたが、
テレワークなんて出来るわけないし、時差、時短などもなく、
以前と少しも変らない状況だと話してくれました。通勤電車も、
幾分乗客が少ない程度で、「密」を避けることなど不可能、
とのことでした。ライフラインの維持に必要なところ以外は
全て休業せよ、と要請してもらわない限り無理だね、と半ば
諦め口調でした。
テレワーク等が出来る企業なんて、一部でしかない、という
現実を、改めて思い知らされました。
『源氏物語』のかなり詳しいあらすじは、今回から第五帖「若紫」
に入ります。
「全文訳」では、2017年12月21日の「若紫」(1)、2018年1月8日
の「若紫」(2)、1月25日の「若紫」(3)に該当する箇所です。
「源氏物語のあらすじ」・・・第五帖「若紫」(その1)は➞こちらから
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