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月光の効果

2021年7月16日(金) オンライン『枕草子』(第12回 通算第53回)

本日、関東甲信・東北も梅雨明けとなりました。待っていたかのような
早速の猛暑到来。家の中でじっとしていても暑さが応える一日でした。

オンライン「枕草子」は、予定通り来月で読了となりそうです。今日は
巻末に附載されている「一本」の七~二十五までを読みました。
一本は、「~は」で始まる極めて短文のものが大半を占めていますが、
最後の二十五~二十七までは、清少納言らしい随想となっています。

「一本二十五」では、「月影(月光)のあはれ(情趣)」について記して
います。

荒れ果てた家の庭。そこには蓬や雑草が伸び放題になっていて、本来
風情も何もないはずなのに、満月が煌々と空に上り、粗末な板屋根の
隙間から月明かりが漏れて来る中では、さわさわという風の音にも
風情が感じられようというもの、と、月光の効果を謳っています。

さらには池のある邸宅。こちらは五月雨(今の梅雨)の頃であろうと、
曇り空であろうと、池の存在そのものが「あはれ」を醸し出しているの
ですが、それでも、「わざとつくろひたるよりも、うち捨てて、水草がちに
荒れ青みたる、絶え間絶え間より、月影ばかりは、白々と映りて見え
たるなどよ」(殊更手入れをしているよりも、放ってあって、水草が増え
荒れた感じで青々としている、そんな水面の隙間隙間に月光が射して、
白く光って見えているところなどは、なんと風情あることよ)と、見事な
描写でその趣深い情景を伝えています。

最後は「すべて、月影は、いかなるところにても、あはれなり」(兎も角、
月光は、どんなとこででも、しみじみとした趣がある)という一文で締め
括っています。

今の世と違い、月明かりが無ければ外は真っ暗だった時代。月光に
対する感受性もいっそう研ぎ澄まされていたに違いありません。


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コメント

No title

月光、都会にいると、特に感じにくくなるかもしれませんね・・・・ 
蛍雪の功という言葉もありますが、私は直接蛍を見たことがなく、自然豊かな地域がうらやましくなることもあります。

No title

utokyoさま

コメントを戴き、有難うございます。

そうですね、現代の、特に都会は深夜でも明るいので、月光を意識することは少なくなっていると思います。でも月の光っていいですよね。

蛍の光も、都会では自然に見る機会が殆ど無くなっていますが、幻想的で、こちらも私は大好きです。

やはり、自然の持つ魅力が一番かもしれません。

猛暑の日が続いております。どうぞご自愛下さいませ。

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