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薫、三度目の機会も逃してしまう

2021年12月27日(月) 溝の口「CD源氏の会」(第6回・通算146回)

10月から、会場での講座の再開を待っておられる方を対象に、月に
2回(第2金曜日と第4月曜日)、CD講座と称して、私が一人で音読と
解釈を吹き込み、それをCDに書き込んでお送りする新たな方法に
取り組んでまいりました。

始めてみればあっという間の3ヶ月で、既に6回目になる、というのが
信じられません。オミクロン株による感染再拡大も懸念されますので、
このクラスでは、来年3月まで、あと6回、このCD講座を続けることに
なりました。その間に出来るだけオンラインクラスに追いつけるよう、
努力したいと思っております(足並みが揃う迄には、無理がありそう
ですが・・・)。

さて、年内最後となった今回は、何とか大君と結婚したいと願う薫の
考え出した策略が、結局は目論見どおり事が運ばなかった、という
第47帖「総角」の中盤に差し掛かるあたりを読みました。

薫の熱心な求婚にも、弁の理に適った説得にも応じようとしない大君
は、妹の中の君を薫と結婚させて、自分は親代りとしてその後見役に
徹したい、と願っておりました。

それなら中の君が別の人と結婚してしまえば、大君も諦めて自分との
結婚を考えてくれるのではないか、と薫は考えます。中の君には前々
からご執心の匂宮に、早く仲を取り持ってくれ、と散々急かされている
ことだし、中の君なら匂宮もきっと満足なさるに違いない、との確信も
あるので、薫はこの計画を実行するため、匂宮を伴って宇治へ赴いた
のでした。

匂宮に薫を装わせて、弁に中の君の許へと案内させます。一方で薫は
大君に面会を求めます。大君は、薫が中の君との結婚承諾の挨拶に
来たと思って、襖一枚を隔てて対面しますが、襖の狭間から、薫に袖を
捉えられた挙句、告げられた事実に、「今すこし思ひよらぬことの、目も
あやに心づきなくなりて」(一段と思いも寄らない話をされて、眩暈がし
そうな不快感に襲われて)、大君はひたすら薫を恨みますが、それでも
「こしらへむと思ひしづめて」(何とか薫をなだめすかそうと冷静になって)、
「ことはりをいとよくのたまふ」(物の道理をことわけておっしゃる)その態度
に、薫は気後れして、とうとう三度目の機会も不首尾に終わったのでした。

このように、目論見どおりにならないのは、何も薫に限ったことではなく、
今でもよくあることで、特に練りに練った計画であればあるほど、本人に
とっては、残念この上ないことに違いありません。しかも薫の場合、これが
ラストチャンスだったのです。

中の君が匂宮と結ばれたことで、話は次のステージへと進んでまいります。
新年の「CD源氏の会」は、そこからとなりますので、引き続きよろしくお願い
いたします。


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コメント

No title

計画が空回りしてしまうこと、ありますね・・・・
結婚といえば人生の一大事ですし、うまくいけば良かったですが、相手の気持ちもあることなので、配慮が必要になってきますね。

No title

utokyoさま

計画の空回りは、古今東西、あり得ることだと思います。

薫は何と言われても大君を諦めることは出来ない⇒大君は妹の中の君を薫と結婚させようとしている⇒それなら中の君が別の人と結婚してしまえば大君の気持ちが自分に向くのではないか。

中の君が別の人と結ばれるほうは成功しても、大君にはもともと結婚の意思のないのですから、無理ですよね。

やはり薫には相手の気持ちに対する配慮が足りなかった、ということでしょうね。

No title

ばーばむらさきさま

2021年も残り一日。長いような、短いような一年が終わろうとしています。今年もいろいろとお世話になり有難うございました。ブログの更新や返信、オンライン講座などなど、多岐にわたるご活躍、お疲れ様でした。

島崎藤村の「夜明け前」を先日やっと読み終えました。それも適当な本がなく、電子辞書で。読み易いとも面白いともいえない内容なのですが、なぜか心惹かれて読み通しました。暖かくなりましたら是非木曽路へ、と思っております。

寒いですので、お体に十分お気を付けてお過ごしくださいますよう。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

良いお年を!

No title

今年一年ご訪問 お付き合いいただきありがとうございました
来年もどうぞよろしくお願いいたします
年末年始寒くなりそうです
どうぞ暖かくしてお過ごし下さい 風邪ひかれませんように
どうぞ良いお年をお迎えください

No title

萩原さま

コロナ禍から抜け出せることを期待した一年でしたが、まだ無理でしたね。それでも月日は、あっという間に流れて行きました。

今年も度々コメントを頂戴し、有難うございました。とても励みとなりました。

島崎藤村の『夜明け前』懐かしいです。高校時代に宿題でレポートを書かされた思い出があります。私も三島由紀夫の『金閣寺』を読み直し始めましたが、図書館の本と違い、いつでも読める時でいい、と思うとダメですね、まだ完読できていません💦

コロナを気にせず出かけられるようになりましたら、萩原さまとご一緒に三島で天女ランチをいただきたいと楽しみにしております。

明日から年越し寒波が襲来とのこと、どうぞお気をつけて、良き新年をお迎えくださいませ。

こちらこそ、来たる年もまたよろしくお願い申し上げます。


No title

いとこいさま

ご丁寧なコメントを有難うございます。

こちらこそ、こんなマニアックなブログに日々ご訪問頂き、感謝申し上げております。

私も根が関西人ですので、いとこいさまのブログには共感できることが多く、楽しませていただいております。

来年もどうぞよろしくお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます。


追伸:先程例の黒豆が炊き上がりました!

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