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運命の皮肉

2016年1月12日(火) 高座渋谷「源氏物語に親しむ会」(統合48回 通算98回)

この冬初めて最高気温が10度を下回る寒中らしい寒さとなりました。
これが普通なのでしょうが、これまでの暖冬に慣れた身には応えます。

高座渋谷のクラスは、今日から第29帖「行幸」に入りました。

玉鬘をヒロインとする、源氏36歳の六条院の一年を描いた最後の巻と
なりますが、ここでは、源氏の玉鬘への思いが進退窮まったところから
始まります。

玉鬘を尚侍として出仕させ、帝の寵愛を受けるようになってしまえば、もう
源氏の手の届かないところへ行ってしまうことになりますが、もし、そのような
ことが起こらず、女官としてのみお仕えするのであれば、六条院に里下がり
した折を見て、自分のものにするのも可能だと、源氏は目論んでいました。

いずれにせよ、玉鬘が出仕を承知しなければ事は前に進みません。

12月に、冷泉帝の大原野への行幸があり、源氏はこの時とばかり、玉鬘にも
行列の見物をさせました。

案の定、玉鬘の目に映った帝のお姿は「なずらひきこゆべき人なし」(比べる
ことが出来る人などいなかった)でした。父の内大臣も、源氏でさえ、帝以上
ではないと、玉鬘には思え、「この方に女官としてお仕えするなら、仕事も
やりがいがあるだろう」と、気持ちが傾いたのでした。

右大将はと言えば、「色黒く髭がちに見えて、いと心づきなし」(色が黒くって
髭だらけ、という印象で、とてもこの人は好きになれないわ」と玉鬘には思え
ました。後世の読者が、「髭黒」と呼んでいるのも、この記述によるものです。

でも、玉鬘は一番嫌だ、と思った髭黒と、後に結ばれます。運命は皮肉にも、
源氏も、玉鬘自身も望んでいなかった方向へと動いて行くことになるのです。



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