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絵によって異なる印象

2016年1月15日(金) 溝の口「伊勢物語」(第7回)

年が明けたと思ったら、もう1月も半ばです。今年も、こうしてどんどん
日が経って行くのでしょうね。

「伊勢物語」、今日は第47段~第59段までを、いつものように、
プロジェクターで「伊勢絵」を映しながら読み進めました。

第58段は、長岡に住んでいる風流な男が、稲刈りをしていた隣家に
仕える女どもの目に留まり、その女どもが男の家まで押しかけて
来たので、男は奥に逃げ隠れました。無遠慮な女たちは「一緒に
落穂拾いをしましょうよ」と誘い掛けますが、男はやんわりと拒絶の歌を
贈りました、という話です。

住吉如慶が描いた「伊勢物語絵巻」も、「宗達伊勢物語図色紙」も、
図々しい女たちから、男が隠れ逃れようとしている場面を描いて
いますが、絵に加えられる演出によって印象が随分違ってくることを
ご覧いただきたいと思います。

     0058伊勢物語絵巻(58段・田刈らむ)
               「伊勢物語絵巻」

         0058宗達(第58段・田刈らむA)
             「宗達伊勢物語図色紙」

「伊勢物語絵巻」のほうは、男のところに押しかけて来るという
はしたない行動を取ってはいるものの、女たちがきちんとした服装で、
逃げようとしている男にもさほど面白味は感じられません。

一方の「宗達伊勢物語図色紙」は、女たちの田舎臭さが、これでもか、
というほど強調されていて、逃げ腰の男の姿が実に滑稽に見えます。

本文では、女たちは「こともなき」(特に難点のない)と書かれています
ので、リアルという点では「伊勢物語絵巻」が勝っているのでしょうが、
「宗達伊勢物語図色紙」に描かれた女たちの、いかにもたくましい
田舎者ぶりは、絵を媒体として広がり行く物語にインパクトを与えて
効果的だと思われます。

「宗達伊勢物語図色紙」の女たちの太い二の腕や、下品な笑い顔を
拡大しておきますので、そのあたりをご覧いただければ、と存じます。
        0058宗達(第58段・田刈らむB)


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