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右大臣家の娘たち

2022年6月13日(月) 溝の口「紫の会」(第56回)

今年は入梅以降、いかにも梅雨らしいお天気が続いていましたが、
今日は久々に日の光が眩しい「梅雨の晴れ間」となりました。

コロナの感染者数も、ここ1ヶ月は減り続けており、東京でも新規
感染者数が約5ヶ月ぶりに1,000人を下回ったと、ニュースで報じて
おりました。この傾向、ずっと続いて欲しいものです。

そうしたこともあって、会場での例会も、抵抗なく行えるようになって
きました。来月には、2年5か月ぶりに会場クラス全面再開予定です。

会場での「紫の会」も、第10帖「賢木」の終盤に入ってまいりました。
次回で、「賢木」の巻を読み終えられると思います。

桐壺院の没後、政界の勢力図は大きく塗り替えられ、朱雀帝の外戚
である右大臣一派が権力を手中に収め、それに嫌気の差した左大臣
は辞職して隠遁。出家した藤壺も、源氏も、左大臣の子息たちも、皆
不遇をかこつようになっていました。

では右大臣家には、どのような人たちがいるのでしょうか。『源氏物語』
には、「登場人物」と呼べる人だけでも460人以上おり、狭い貴族社会
の話なので、人間関係は絡み合っています。一度読んだだけで把握
するのは難しく、丁度よい機会なので、右大臣家の娘たちと、それに
関連する主な登場人物をご紹介しておきましょう。

主要な娘は二人で、そのうちの一人が弘徽殿女御(息子〈朱雀帝〉が
帝位に就いてからは弘徽殿大后と呼ばれています)です。右大臣の
長女で、桐壺院がまだ東宮の頃に入内して、朱雀帝を産んでいます。

もう一人は、六女の朧月夜です。甥にあたる朱雀帝への入内が決ま
っていながら、源氏と出会い、身も心も源氏に惹かれてしまいます。
このクラスでは来月の講読箇所になりますが、源氏との密会の現場
を父・右大臣に押さえられ、源氏の須磨退去の直接的原因を作って
しまうことになる役割を担っています。

おそらく三女と思われるのが、帥の宮(のちの蛍兵部卿の宮・源氏の
異母弟)の正妻です。この方は比較的若くして亡くなっておられます。

四女は三位の中将(元の頭中将・左大臣家の嫡男)の正妻となって
います。このご夫婦仲も今一つ上手くいっておらず、右大臣としては
娘のことをないがしろにしがちな三位の中将を快く思っていません。
でも、このご夫婦には、お子達も多く、長男が柏木、次男が本日の
講読箇所でも美声を披露しているのちの紅梅の大納言で、長女は
冷泉帝(源氏と藤壺の不義の子で現東宮)の女御となり、やはり
弘徽殿の女御と呼ばれています。

源氏が「須磨」「明石」を経て政界に復帰し、「澪標」の巻で朱雀帝が
譲位されて冷泉帝の御世となると、今度は右大臣家の勢力は見る影
も無く後退してしまいます。源氏が京を離れている間に、右大臣自身
も亡くなっています。

こうして見ると、やはり当時は、帝の外戚となることが時の権力者への
近道だったことがわかりますね。歴史上でもそれを実践して、頂点に
立ったのが、再来年の大河ドラマで、紫式部の相手役になるはずの
藤原道長です。

ちょっと話が本題から逸れましたが、『源氏物語』は読み進めながら、
時折人間関係を整理しておくとよいかもしれません。


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コメント

No title

460人というだけでもすごいですが、実際はもっと登場しているのですね。
紫式部は、本当に聡明な方だったのだなと思いました。
大河も、1年間では物足りないかもしれませんね(^^;;

No title

utokyoさま

コメントを有難うございます。

はい、460人の中には、いわゆるエキストラ的な登場人物は含まれていません。ですから、紫式部という人の頭脳ってどうなっていたのかな?と思いますね。大石静さんと吉高由里子さんのコンビで、この恐ろしいほどまでに聡明だった女性をどこまで表現してみせてくれるのか、大河ドラマが楽しみです。

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