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これが本当の愛なのでは?

2022年8月17日(水) 湘南台「源氏物語を読む会」(第233回)

先月、コロナの感染急拡大を受けて、初めてオンラインでの例会を
行った湘南台クラスですが、コロナもまだ収束には程遠い状況ですし、
残暑も厳しい折から、今月はもう一度オンラインで、ということに
なりました。

物語は、いよいよ「宇治十帖」の佳境へと入って来ました。

あの二条院で偶然見かけ、言い寄りながらも不首尾に終わった女を
遂に探し出した匂宮は、一夜を共にした女(浮舟)と別れて京へ帰る
気がせず、更にもう一夜を宇治で過ごすことにします。

自分のためにそこまでしてくれる匂宮に、浮舟は思うのです。「いとさま
よう心にくき人を見ならひたるに、時の間も見ざらむに死ぬべし、とおぼし
こがるる人を、心ざし深しとは、かかるを言ふにやあらむ」(とてもきちんと
して奥ゆかしいお方〈薫〉を見馴れていたけれど、片時も逢っていないと
死んでしまいそうだ、と恋に身を灼かれるお方〈匂宮〉に対して、本当に
深い愛情とは、このようなことを言うのではないだろうか)と。

常に落ち着いた上品な振舞いの薫と、自分の感情を素直に表出して、
無謀と思われる振舞いも厭わない匂宮。その違いが、浮舟に「本当の
愛とは?」と考えさせるのです。

これまで、殆ど語られることのなかった浮舟の心情が、匂宮によって
女として目覚めさせられたこの時点から、細やかに語られていくように
なります。

匂宮に心惹かれながらも、二人が結ばれたことが他の人に知られたら
どう思われようか、と、先ず中の君のことが気になり、匂宮が再三再四、
素性を聞き出そうとなさっても、それには口を閉ざし続ける浮舟でした。

浮舟が薫ではなく、真っ先に中の君を気にしているというのも、薫と浮舟
の距離感の表れのような気がしますね。


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