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表裏のない清少納言の人柄

2022年8月19日(金) 溝の口「枕草子」(第43回)

お盆休みの期間も終わり、猛暑日から解放された今日、先月より
再開した溝の口の「枕草子」の講読会にまいりました。

コロナの感染者はなかなか減少に転じてくれず、全国では一日で
26万人を超える感染者が出ておりますが、しっかりと感染対策を
していれば、休講にはしなくてもよい、というwithコロナの考え方に
このクラスもなってきていて、休会中の方を除けば全員出席で、
『枕草子』の第256段から第259段までを読みました。

本日の講読箇所では「嬉しきもの」が中心になっています。清少納言
にとっての一番の「嬉しきもの」とは、中宮さま(定子)から、誰よりも
目をかけていただいていることが実感できる時だったはずです。
これにつきましては一昨年、オンラインクラスで読んだ際に記事にした
ので(⇒こちらから)、ここでは作者が思いつくままに取り上げている
「嬉しきもの」の中から、その正直というか、表裏のない人柄の窺える
ところをご紹介しておきましょう。

その1・・・「人の破り棄てたる文を継ぎて見るに、同じ続きをあまた行
見続けたる」(人が破り棄てた手紙を見つけてそれを継ぎ合わせて
読むと、ちょうど一続きになっている部分を何行も続けて読めた時)。

これってプライバシーの侵害で問題になりそうな行為です。おそらく
この手紙はラブレターでしょう。覗き見的なことが好きなところもある
清少納言ですが、それを隠そうとせずにこうして書いているのが、
どこか憎めないんですよね。

その2・・・「『われは』など思ひてしたり顔なる人、はかり得たる」(自分
こそは一番だ、と思って得意顔になっている人を、まんまと引掛ける
ことに成功した時)。

その3・・・「憎き者の、悪き目見るも、『罪や得らむ』と思ひながら、
また嬉し」(憎らしいと思っている人が、ひどい目に遭うのも、「罰が
当たりそう」とは思うものの、また嬉しいわ)

その2、その3は、言うなれば「ざまぁみろ」という心理でしょうが、
普通は自分の心の中に納めておいて、このように発言はしないと
思われます。

第252段でも「陰で人の噂をするのは楽しい」って書いていましたし
(それに関しては⇒こちらから)、このあっけらかんとした人柄に、
中宮さまも、清少納言になら心許せる、と感じておられたのでは
ないでしょうか。


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コメント

No title

 面白いですねぇ。普通は天狗になってる人の鼻を折るのが好きとか、あいつハマったらええのにとか、そういうことは思っても書かないもんだと思うんですが、それをはっきり書く・・・。
 無名草子、図書館で借りてきました。おっしゃる通り、ちょっと楽に読めるような気が(笑)。わざわざ老人に語らせるのは、なんか大鏡みたいな・・・。
 がんばって読みまする。

No title

まっちゃんさま

コメントを有難うございます。

清少納言って憎めない性格ですよね。

『無名草子』の形式は『大鏡』に倣っていますが、『大鏡』は男性陣での、『無名草子』は女性陣での対話形式になっていて、作者も『大鏡』は男性、『無名草子』は女性、と考えられています。当時の女性が物語などをどのように受け止めていたかを知る資料の一つになるかと思います。

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