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『源氏物語』-平安朝日本語復元による試み-

2022年8月25日(木) オンライン「紫の会・木曜クラス」(第25回・通算72回・№2)

私が『源氏物語』の平安朝日本語復元読みを試みたテープが発売されて
いると知ったのは、もう30年近く前になるでしょうか。すぐさま書店に注文
して買い求めました(まだAmazonでポチッ、なんてない頃です)。

金田一春彦氏の言語監修で、朗読は新劇女優の関弘子さんがなさって
います(発行所は大修館書店)。

朗読テープには、「桐壺」、「夕顔」、「若紫」、「須磨」の四つの巻の一部が
収録されていて、「須磨」は、ちょうど今月のオンライン「紫の会」で最後に
読んだ場面、「須磨には、いとど心尽くしの秋風に~」の古来景情一致の
名場面としてよく知られている所から始まっているので、そこを皆さまに
聴いていただきました。

ラジカセをパソコンに向けて、音のボリュームを上げると、オンラインで
ご参加の方々にもちゃんと聞こえたようでした。

今、私たちが普通の発音、アクセントで音読するのとは随分違いがあり、
一番よくわかるのは、タ行とハ行の発音の違いかと思います。タ行は、
「チ」と「ツ」が、「ティ」、「トゥ」と聞こえ、ハ行はすべて子音が「h」ではなく
「f」になっているので、「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」と聞こえます。また母音は
a、i、u、e、o の5つに加えて、「ゐ」「ゑ」「を」を、wi、we、woと発音して
いるので、今よりもかなり複雑です。

アクセントについては、平安末期の漢字辞典『類聚名義抄』の和訓や、
『日本書紀』のような漢文書籍の和訓に施されたアクセント記号などを
はじめ、今にも伝わる仏教の「声明」の類の抑揚の付け方などを分析
の上、この時代のアクセントを再構なさったようです。現在のアクセント
よりも抑揚が激しく、先週の月曜クラスでは、「お能みたいですね」と、
おっしゃった方もありました。

音読のスピードはゆっくりです。当時に比べると、あらゆる物事のスピード
は加速している気がしますね。

2018年の5月末に、溝の口クラスの有志の方々と、「松阪・斎宮」への旅を
楽しみました。その時に訪れた「斎宮歴史博物館」では二つの映像を見る
ことができますが、そのうちの一つ「今よみがえる幻の宮」において、京から
の勅使が斎宮御所を訪れている場面で、この平安朝の復元言葉で会話が
交わされていました。伊勢神宮などにお出かけの際に、ちょっと立ち寄って
みられるのもいいですよ。最寄り駅は、松阪と伊勢市駅の中間にある「斎宮」
というひっそりとした無人駅です。

本日の講読箇所の全文訳は、前半は(⇒こちらから)、後半は(⇒こちらから
どうぞ。


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コメント

No title

伊勢神宮は小学校の修学旅行で行ったきりなので、一度ゆっくり参拝したいと思っていますが、その際はぜひ訪れたいです。
東京大神宮は、良縁を願ってときどき参拝しております(^ ^)

No title

utokyoさま

コメントを有難うございます。

伊勢神宮参拝とセットにしていらしてみてください。私も最初は鳥羽の帰りに立ち寄りました。こうしたものに興味がおありの方にはお勧めです。「斎宮」駅の傍には、「いつきのみや歴史体験館」という施設もあり、いろんな体験も楽しめます。

No title

 上代日本語の母音が8母音とか聞いたことがありますし、H音がF音、さらに古代ではP音だったとか、「ジ」と「ヂ」は明確な差があったというのも確からしいですね。
 今度釣友が遠征を企んでいるんですが、「どこ?」と聞くと斎宮歴史博物館の近くなんです・・・。私だけ泊りがけかも知れません(笑)。

No title

まっちゃんさま

コメントを有難うございます。

平安朝の復元読み、初めて聞いた時には、同じ日本語でもこんなに違うのか、と驚きました。今の京ことばとも違いますしね。

ブログ記事の中には書かなかったのですが、今は表記通りに読まない語を表記通りに読んでいる、ということも気になります。例えば、「てふ」は「ちょう」と読みますが、復元読みでは「てふ」とそのまま読んでいます。

まっちゃんさまなら、「斎宮」は楽しんでいただける場所ではないでしょうか。「斎宮歴史博物館」の他にも、斎宮寮の建物の復元されている「さいくう平安の杜」、様々な体験の出来る「いつきのみや歴史体験館」等、古代に思いを馳せながら散策も出来て、私は機会があれば何度でも行きたいと思っています。

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