fc2ブログ

第12帖「須磨」を読み終える

2022年11月24日(木) オンライン「紫の会・木曜クラス」(第28回・通算75回・№2)

『源氏物語』を読み始めても、その長さや人間関係のややこしさ
などで、この「須磨」の巻辺りまで来ると、「もういいや」となって
止めてしまうことが多く、それを「須磨返り」と称してしますが、
オンライン「紫の会」では、月曜クラスも、木曜クラスも、全員が
ここで「須磨返り」すること無く、突破。来月からは次の「明石」の
巻を読む予定です。

第12帖「須磨」の最終場面は、第13帖「明石」と完全に繋がって
おり、「須磨」のエピローグと「明石」のプロローグを兼ねている
ような段落となっています。

3月1日が「巳」の日に当たったので、源氏は海辺で「上巳の日」
の祓へをなさいました。「海の面うらうらと凪ぎわたり」(海面は
うららかに凪渡り)だったのですが、その祓へも終わり切らない
うちに、急に暴風雨に襲われ、皆命からがら源氏の館へと引き
上げてきました。

明け方になって、ようやくうとうととした源氏の夢に得体の知れ
ない者が現れて、「どうして海龍王さまよりお召しがあるのに
参上なさらないのか」と、言いながら手探りで自分を探している
様子が窺えます。そこで源氏はハッと目覚め、「海龍王は美しい
ものをたいそうひどく好むものだから、自分に目をつけたのだな」
(ナルシスト源氏、ですが、自分の容貌に自信を持つのは当然
でしょうね)と思うと、「いとものむつかしう、この住ひ堪へがたく
おぼしなりぬ」(とても薄気味悪く、この須磨の住まいに暮らす
ことが我慢出来なくお思いになりました)と結ばれています。

源氏が須磨の地を離れる日の近いことを予感させて、「須磨」の
巻は幕を閉じ、そのまま話は「明石」の巻へと続いて行くことに
なりますが、源氏の次なる運命はどのような形で紡がれるのか、
初めて読んだ当時の読者は、興味津々だったことでしょう。あの
明石入道とその娘の挿話があったことからして、おおよその見当
はついたかとも思えますけど。

須磨から明石へ。舞台が移ることで、源氏の人生にも転機が
訪れます。須磨でのどん底の日々からの脱出の日も近づいて
きました。楽しく読み継いでまいりましょう。

この場面、詳しくは先に記しました「須磨の全文訳(20)」をご覧
下さいませ⇒こちらから


スポンサーサイト



コメント

No title

モテモテの源氏なので、容姿に自信を持つのは当然だろうなと思いました(^^;;
人生山あり谷ありですが、腐らずに生き抜いていくことが重要ですね。

No title

utokyoさま

いつもコメントを有難うございます。

源氏に対して「自分の容姿に自惚れぬな」とは言い難いですよね。

若い頃の人生の挫折は、のちに糧となって活かされることが多いのではないでしょうか。源氏の場合もそうです。utokyoさまのおっしゃる通り、腐らず生き抜くことが大事だと思います。

コメントの投稿

訪問者カウンター