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入道の娘の人柄

2023年2月13日(月) 溝の口「紫の会」(第64回)

冷たい雨の一日となりましたが、大雨というほどでもなく、
ましてや先日のような雪になる様子も無かったので、今日
は安心して出かけることができました。

「紫の会」の会場クラスは、あと少しで第12帖「須磨」を読み
終える、という所まで来ました。オンラインクラスに6月で
追いつく、という目標を何とか達成したいと思っています。

今回の講読箇所で、明石の入道やその娘のことが、些か
唐突な感じで紹介されます。第5帖「若紫」で、源氏は側近
の良清(播磨守の息子で、明石のことには詳しい)の噂話
として読者にも知らされていましたが、ここでは源氏が須磨
に謫居している中での登場となりますので、これからの物語
の展開に関わってくるためであろうことは予想がつきます。

明石の入道のことは、昨年10月のオンラインクラスでの講読
時に記事にしていますので(⇒こちらから)、今日はその娘
の人柄に触れておきたいと思います。

先ず、「すぐれたる容貌ならねど」(さほど美貌の持ち主では
ないが)と書かれています。「えっ?明石の上ってすごい美人
で、だから源氏が心惹かれたのではないの?」と、ここを読む
と、ちょっと意外な気もするのですが、紫の上のような絶世の
美女には設定されていません。

では何が優れているのか、というと、「やむごとなき人におとる
まじかりける」(高貴な姫君にも劣るまいと思われる)気品と、
たしなみ深い人柄だったのです。のちに出てまいりますが、
彼女は楽器の演奏(特に琵琶)においても、右に出る者の
いない奏法を身につけていることがわかります。

ただこの娘は、源氏のようなお方が、自分ごとき田舎育ちの
受領の娘などを相手にしてくださるはずがない、と、身の程を
心得ています。それでも、父親の薫陶のお陰か、気位は高く、
おのれの分際に見合った縁組などけっしてするまい、と思って
いました。

父親の入道は、自分が嘗て見た瑞夢(夢の内容が明かされる
のは、第34帖「若菜上」になってから)を信じ、その実現の為に、
年に二度、娘を住吉神社に参詣させているのでした。

この住吉詣が、例の俵屋宗達の「源氏物語澪標図屏風」に
描かれている場面に繋がっていくのですよね。


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コメント

No title

源氏物語は、たくさんの女の人が出て来て、それぞれに美貌も性格も違ってて、それを深く書き分けている紫式部ってすごいですね。源氏物語、楽しみです!(稚拙なコメントですみませんー😂)

No title

一度、頑張って読んだはずの源氏物語ですが、すっかり忘れています。
明石の入道の人柄は好ましいと思いますが、
入道の娘さんもいいですね。

身の程をわきまえながら、
気高く慎み深い女性は憧れです。


↓本にしたいと私も何度か思った過去がありますが、記事の整理が面倒で放置しています。
孫のことは、自分でまとめ直し、印刷と製本も教わりながら作りました。
https://kosuzume3.blog.fc2.com/blog-entry-2398.html

旅と料理が本に出来たらと思いながら、もうあきらめています。

毎年作られるのは良いですね。

No title

ミキさま

コメントを有難うございます。

『源氏物語』には多くの女君が登場します。拙著ではー『源氏物語』のヒロイン二十四抄ーというサブタイトルをつけて、24人を取り上げましたが、もっと細かく取り上げるなら、30人を超えますよね。それらの一人ひとりの容姿、性格、置かれた立場などを、見事に書き分けている作者の紫式部さん、やはりただ者ではありませんね。

ご一緒に『源氏物語』が楽しめる日も近づいてきました。よろしくお願いいたします。

No title

こすずめさま

コメントを有難うございます。

明石の入道の娘(のちの明石の上)ほど、「身の程」を思い知らされ続けた女君は他にはないと思います。でも、第二部が終わる頃、光源氏を巡る女性たちの中で、最終的に誰が一番幸せと言えると思いますか?と訊くと、「明石の上」と答える方が多いのですよね。

いつも一歩引いたところに自分を置く明石の上。彼女をさほど美人ではない、としたのも、そうした立ち位置を意識した上でのことだったのかな、と思います。

ご自身で、ご本の印刷と製本をなさっただなって、記事を拝見してびっくりです!お孫さんにとっても何よりの成長の記録として残りますものね、素晴らしいです!!

2015年の4月、私がまだブログを書き始めた頃に、こすずめさまは、こんな偉業を成し遂げられていたのですね!!

No title

自分の置かれている立場をわきまえつつ品性を保っているというのはすばらしいですし、そういう方は、周囲の方からも信頼されますね。
人柄は顔にも滲み出るので、私も、日々の言動に心を配りたいです。

No title

utokyoさま

いつもコメントを戴き、有難うございます。

utokyoさまのおっしゃる通り、「自分の置かれている立場をわきまえつつ品性を保っている」人は、周囲からも信頼を得ることが出来ると思います。顔を合わせるまでは嫉妬することが多かった紫の上も、明石の上とは協調体制が生まれますものね。

余寒厳しい日が続いておりますが、週末に向けて暖かくなるようです。安定した春の暖かさが待ち遠しいですね。

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