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源氏、琴の琴を弾く

2023年2月20日(月) オンライン「紫の会・月曜クラス」(第31回・通算78回・№2)

今日のオンライン「紫の会」では、昨日の「オペラ 源氏物語」の
話題に時間を使ってしまったので、読んだのは通常の2/3弱程度
となりました。

源氏が京を離れたのは26歳の3月20日過ぎでした。そして翌年の
3月13日に入道の迎えにより、明石へと移り住みました。

今回は、「四月になりぬ」(4月になった)、というところから読み始め
ました。つまり源氏の明石での生活が始まって、半月余りが経った
ことになります。当時は4月から6月迄が夏なので、衣更えをします
が、明石の入道がこれでもか、という程に趣向を凝らし、用意万端
整えてくれました。

でも、こうして暮らしが落ち着いて来ると、源氏は須磨よりもいっそう
京から遠ざかった明石にやって来たことで、何かにつけて京が恋しく
思い出されてなりません。久しく手を触れることのなかった琴の琴
(きんのこと…七弦の琴)を袋から取り出して掻き鳴らします。

供人たちをはじめ、この琴の琴の音を耳にした者は、誰もが感動し、
入道も勤行を怠って、源氏の許へと馳せ参じました。入道は「極楽
浄土の様子もかくやと想像いたます」と感涙に咽ぶのですが、やはり
源氏は宮中での管弦の遊びの折々のことなどを思い出すにつけ、
今の自分の置かれている境遇が辛く、奏でる音色も悲しみの響きを
湛えているのでした。

月明かり見ては京を思い、琴の琴を弾いても思い出すのは京の事。
この源氏の孤独感は、どうにもならない侘しさであったことでしょう。

源氏の演奏に感動した入道が、自分の所有している琵琶や箏の琴を
取りに行かせ、そこから楽器の演奏、音楽談義へと入っていきますが、
これが源氏と入道の娘を結び付けるきっかけとなります。いよいよ後
の明石の上の本格的登場となるのですが、実際に二人が結ばれるの
は8月になってから。そこに至るまでの「心くらべ」(意地の張り合い)の
中に、入道の娘の思いを読み解いてまいりましょう。

本日の講読箇所の前半部分(この記事の詳しい内容)につきましては、
先に書きました「全文訳・第13帖明石(5)」をご覧下さい(⇒こちらから)。


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コメント

No title

物理的な距離が遠ざかったことで、より孤独を感じることは、ありそうですね・・・・
私も、現在は関東在住で、出身地の関西に気軽に帰ることができず、寂しくなることがあります(^^;;

No title

utokyoさま

いつもご多忙な中をコメント戴き、有難うございます。

こうした人間の心理というのは、千年前であろうが現代であろうが、変わらないと思います。京都と明石、今ではさほど遠いとは感じませんが、当時は関西と関東位の距離感があったのかもしれませんね。

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