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薫、中の君への思いを封じ込めようとする

2023年2月27日(月) 溝の口「湖月会」(第165回)

同じところを並行して読んでいるもう一つの会場クラスが
(例会日は第2金曜日)、雪のために急遽中止となったため、
そのクラスの中で振替受講を希望なさった方々が、本日の
例会にご参加になりました。もともと少人数のこのクラスから
の参加者は7名、「第2金曜クラス」からの振替受講者が11名
という、変則的なクラス編成での今月の「湖月会」でしたが、
特に問題も無く、終えることが出来ました。

講読箇所は2/1のオンラインクラスと同じで、第49帖「宿木」
の後半に入ったところです。

薫に迫られながらも、かろうじて難を逃れた中の君の許に、
ちょうど匂宮が、久々に顔をお出しになりました。中の君も
こうなった以上、薫にばかり頼ることも出来ないと思い、
いつもより匂宮に寄り添って甘えます。中の君に染み付いた
薫の移り香に気づいた匂宮に疑われ、散々嫌味な言葉を
浴びせられながらも、中の君は身の潔白を訴える歌を詠み、
匂宮もそれを認めるのでした。ここ迄は、2/1の記事に書き
ました(⇒こちらから)。

なおも二人の仲を疑い、薫への嫉妬心から、次の日も匂宮は
二条院に居続けておられました。

そうした匂宮のことを聞き、薫も心穏やかではいられませんが、
「わりなしや、これはわが心のをこがましくあしきぞかし」(仕方
がない。これは自分の料簡が愚かしく良くないことなのだよ)と、
自身に言い聞かせ、もとより望んでいたのは、匂宮と結ばれた
中の君の末長い幸せだったはず。そう思ってずっとお世話して
きたのだから、今後もそれに徹すべきだ、と「しひてぞ思ひ返し
て」(無理に思い直して)、先日の中の君の女房たちの衣装が、
くたびれた感じがしていたのを思い出し、母・女三宮に頼んで、
取り敢えず有り合わせのものを、中の君の女房の許に届け
させたのでした。

薫は、自分が中の君の後見人(親代わり)であるという立場を
確認し、その枠の中へ自らを押し込めていくことで、中の君へ
の恋情に封印しようとしていることがわかります。でもそんなに
人の心は簡単に理性で制御できるものでしょうか。まだ薫の
中の君への「ウジウジ」とした恋は続きます。

それにしても、女三宮の能天気さも、こういう場合、息子に
とっては好都合ですね。「何か適当な衣料はありませんか」と
薫に訊かれ、「法事のお布施用に用意したものがあるだけ。
急ぎ用意させましょう」と答えているのですから。これが匂宮
の母・明石中宮なら、「何に使うつもりなの?」と、絶対に一言
あるでしょうね。


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