fc2ブログ

源氏と入道の娘の「心くらべ」

2023年3月23日(木) オンライン「紫の会・木曜クラス」(第32回・通算79回・№2)

朝から雨が降り止まず、肌寒さを感じる一日となりましたが、
明日はまた最高気温が23度と、5月並みの陽気になるとの
予報です。開花した桜もこの日々乱高下する気温に驚いて
いるのではないでしょうか。

昨日の茶話会に続けて、オンラインが二日続いた方も何人
かおられましたが、今日は講読会で、第3月曜日のクラスと
同じ、第13帖「明石」の真ん中あたりを読み進めました。

入道の話から、その娘との宿縁を感じた源氏は、入道の娘
との結婚を承知し(それについては⇒こちらから)、早速翌日、
娘に求婚の手紙を遣わしました。

源氏に心惹かれながらも、身分の違いを思うと、近づくだけ
みじめな目を見ることになる、と考えている入道の娘は、返事
を書こうともしません。入道の代筆という、常識外れな返事を
受け取った源氏は、さらにその翌日、「私は代筆の手紙など
まだ貰ったことがありません」と言って、再度手紙を贈りました。

娘も父親に無理にせっつかれて、仕方なく筆を取りましたが、
それは都の高貴な女性にも引けをとらないものでした。

源氏も文通相手として満足し、その後は手紙の遣り取りをする
ようになったものの、二人は「心くらべ」(意地の張り合い)の
状態のまま、事はなかなか進展しません。それぞれに、思う
ところがあったからです。

源氏は、腹心の家来の一人・良清が、長年入道の娘に思いを
かけてきたことも知っているので、娘の許に通うようになったら、
自分が横取りした格好になるし、出来ればそれは避けたい、
「人進み参らば、さるかたにてもまぎらはしてむ」(女の方から
進んで仕えるように参上してくれたら、召人にして、うやむや
のうちに事を運んでしまおう)と、相手の出方を窺っているの
でした。

娘は娘で、「なずらひならぬ身のほどの、いみじうかひなけれ
ば」(肩を並べることのできない自分の身分を思うと、何もかも
甲斐の無い気がして)、自分は源氏の今だけの慰め者、言う
なれば「現地妻」で終わってしまう可能性が大で、軽々しく源氏
に靡くようなことは決してするまい、という気位の高さを保って
おりました。

さあこの根競べ、どのような形で決着するのでしょう。それは
来月読むことになります。

本日の記事の全文訳は(⇒こちらから)ご覧くださいませ。


スポンサーサイト



コメント

No title

先生、おはようございます。
昨日はオンライン講読会、ありがとうございました!
入道の代筆も面白かったですし、入道の娘と源氏の「心くらべ」も、やっぱり恋愛はこうでなくっちゃ相手の気を引けないんだろうなあ、と思いました。
私には到底無理だなあ、、て、何を言ってんだかー🙇‍♀️
講座の最後、先生が朗読してくださる現代語訳、目を閉じて、聴かせて頂くのがとても心地良かったです。(決して眠ってはおりませんでしたですー😆)

No title

タニグチさま

コメントを有難うございます。

昨日はお疲れさまでした。源氏と入道の娘の「心くらべ」、確かに「恋愛はこうでなくっちゃ」と思わされますね。

最後に現代語訳を通して読むというのは、もう随分前に林望氏の講演会で、原文のプリントが配布され、最後に林氏がその部分の「謹訳 源氏物語」を読み上げられたのがすごく良くて(林氏は情感たっぷりで、私のような棒読みではありませんし)、これを一度やってみたいと思っていました。「紫の会」は、もう私にとっては最後の講読会になるでしょうし、自分で全文を訳し、林氏の真似事をしてみよう、と始めて、今に至っています。やはり通して読むと、15分位時間を取ってしまうので、読み上げられない時もあるのですが、あんな下手な朗読でも「心地よい」と言っていただけると嬉しいです。そろそろ止めようかな、とも思っていたのですが、もうちょっと頑張ろう、という気になりました!また豚の木登り?(笑)

No title

恋愛も、周囲の方との兼ね合いがあると、思うように進まないですね(^^;;
身分の違いも、昔は大きな障害になったことと思います。

今日明日は気温が下がるようですが、体調管理をしっかりしていきたいですね。

No title

utokyoさま

いつもコメントを有難うございます。

『源氏物語』には、様々な愛の形が描かれていますが、すべてが満足な形、というのは無く、周囲の思惑、身分の差、当人たちの温度差、いろんな障害が立ちはだかっており、千年後の読者も、いろいろと考えさせられるところがあります。

一日で10度以上の気温差は応えますね。utokyoさまも気をつけてお過ごしくださいませ。

コメントの投稿

訪問者カウンター