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先行き不透明な不安

2023年7月10日(月) 溝の口「紫の会」(第69回・№2)

ここ数日、蒸し暑い日が続いていましたが、今日は36度を
超えるこの夏一番の暑さとなりました。明日も猛暑日の
予報が出ています。豪雨で被害が出ているところのことを
思えば、これ位で文句を言うのは罰当たりな気もしますが、
まだ梅雨も明けていないのですよね?梅雨が明けたら
どんな暑さになるのでしょう?

溝の口の「紫の会」は、先月でようやくオンラインクラスに
追い付き、3人の方がオンラインクラスから会場クラスへと
移行され、時間も2時間に戻して、会場↔オンラインの振替
も自由にしていただけるようになりました。

本当は「明石」の巻を読み終えた状態でそうしたかったの
ですが、1回分だけ残ってしまい、本日で第13帖「明石」を
読了、来月から次の「澪標」に入ります。テキストも第3巻
となります。

「明石」の巻の終盤、いよいよ源氏が明石を出立し、京へと
帰還する日がやって来ました。

源氏は必ず入道の娘を京へ迎え取る、と約束してくれました
が、その保証はどこにもありません。このまま源氏に捨てられ、
入道の娘はシングルマザーとして生きて行かねばならない
可能性も大なのです。

娘自身はもとより、入道も、母君(入道の妻)も、この先行きの
不透明な不安は、どうしようもありません。プライドの高い娘は、
「かうしも人に見えじと思ひしづむれど」(こんなふうに悲しみに
くれている様子を女房にも見せまいと、堪えているけれど)、
「うち捨てたまへる恨みのやるかたなきに、おもかげ添ひて
忘れがたきに」(源氏が自分をお捨てになった恨みのやり場が
ない上に、面影が浮かび忘れようもないので)、両親の前では
ただもう泣いてばかりいるのでした。

父の入道は呆け状態、母君は、娘にこのような身分差のある
無理な結婚をさせた夫への愚痴を言い募り、共に娘が可哀想
でなりません。

でも、この場面を読んで思うのです。入道の娘には限りなく
慈しんでくれる両親がいて、その両親の前だけでは、娘も
自分をさらけ出すことが出来ています。こうした振る舞いが
許される環境に居られることは、娘はある意味幸せなのでは
ないかと。

紫の上の場合はどうでしょう。源氏が初めて垣間見た時は、
やはり慈しんで育ててくれている祖母がいて、若紫時代の
紫の上は思いっきり自分をさらけ出せていました。でも大人に
なってからの紫の上は、どんなことがあっても、他人の思惑を
優先せざるを得ない状況にありました。甘えることが許される
環境って、恵まれたことの一つなのでは、と考えさせられたの
でした。

詳しい内容は、先に書きました全文訳の「明石」(15)をご覧
頂ければ、と存じます(⇒こちらから)。


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コメント

No title

ばーばむらさき 様

今日のこちらは猛暑日でニュースに取り上げられるほどでした。昨日まで旅行で近江方面に居ましたがこれほどの暑さではなかったように思います。今からこの暑さには堪えますね。


おっしゃいますように、「紫の上」と「明石の君」の育った環境の違いを改めて比べてみますと、身内に見守られて育ち、この先も心配られていくことの幸せは何物にも替え難いものですね。

あと、訳文を読ませていただいて分かったのですが、着物の交換は再会を願うものでもあったのですね。

No title

keikoさま

コメントを有難うございます。

近江のほうへいらしてたのですか、いいですね。もう一度ゆっくりと訪ねたいところの一つです。

何があっても自分を守ってくれる肉親がいるほど心強いものはないと思います。それは昔も今も。

我々はストーリーを知って読んでいるので、ここで源氏と入道の娘の再会を疑うことはないのですが、知らずに読んでいた当時の読者でも、この二人は再会するに違いない、と思っていた気がしますね。

昨日からこの辺りも36度を超える暑さが続いています。夜になってもエアコンを止めることが出来ません。梅雨が明けたらどうなるのでしょうか?

keikoさまもどうぞご自愛下さいませ。

No title

困っているときに頼ることのできる方がいるというのは、本当に心強いですね。
梅雨明けが早まるかもしれないようで、この後の猛暑は、覚悟しなければと思いました(^^;;

No title

utokyoさま

コメントを有難うございます。

どんなことがあっても自分を守ってくれる肉親がいる心強さは、何物にも代え難いものだと思います。

それにしても、三日連続の猛暑日にはまいりますね。日中は外へ出る気がしません。間もなく梅雨明けとなりそうですし、この先しばらくは熱中症対策が欠かせませんね。

こんばんは~

定子さんもそうやったけど 後ろ盾がね・・・・・・
紫の上は もっと源氏の君が・・・・・って いっつも思ってました><
だから読んでるこちら側から見ると 紫の上が不憫で・・・・

そろそろ梅雨明けですねー
36度を超えた所もあるとか聞きました 用心してくださいね (>_<)

No title

ま~ねんさま

コメントを有難うございます。

史実においても、物語においても、しっかりとした後ろ盾があるかないかで、女君の立場は大きく変わる時代だったのですよね。

「幻」の巻を読んでいると、源氏に向かって、「そんなふうに思うなら、どうして紫の上が生きている時に、もっと気遣ってあげなかったの?」と言ってやりたくなりますね。

連休中にも梅雨が明けそうです。でも明後日の最高気温39度の予報を聞いて、えらいこっちゃ、と思っています。

ま~ねんさまも、くれぐれもご自愛のほどを。

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