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朱雀帝の無念

2023年8月21日(月) オンライン「紫の会・月曜クラス」(第377回・通算84回・№2)

先ずは、皆さまにご心配をおかけした目の状態について
ご報告申し上げておきます。

今朝は、昨日までに比べると赤味が薄れてきており、目薬
のことがなければ、しばらく様子見でもいいのかな、という
位にまで回復して来ていましたが、やはり目薬を点すべきか
どうか、受診しなければわからないので、午前中に予約無し
でもOKの確認を取って、オンライン講座を終えてから、夕方
眼科を受診しました。

今回の目が真っ赤になったのは「結膜下出血」で、緑内障
の目薬の副作用ではないとのこと。段々と回復するので、
心配はいらない、目薬は今日からまた毎日点すように、と
言われました。

すみません、本題のほうが後になりましたが、オンラインの
「紫の会」は、今月から第14帖「澪標」に入りました。

「澪標」は、「須磨」・「明石」で人生のどん底を味わった源氏
が、栄光への階段を駆け上る物語の始まりとなる巻です。

源氏を召還し、権大納言に昇進させた朱雀帝は、ようやく
父・桐壺院の遺言を果たすことができ、気持ちも晴れて、
眼病も良くなって来られましたが、既に譲位の決心をして
おられ、翌年(源氏29歳)の2月に御代替わりとなりました。

それに先立ち、朱雀帝は朧月夜と語られます。帝は朧月夜
が源氏のことを忘れられずにいるのを承知の上で、それでも
朧月夜に対する愛は、自分のほうが源氏に優っているはずだ、
とおっしゃいます。顔を赤く染めて涙をこぼす朧月夜を「よろづ
の罪忘れて、あはれにらうたしと御覧ぜらる」(源氏との全ての
罪を忘れて、しみじみと可愛らしいとご覧になっておられる)
朱雀帝でした。

続けて口になさったのが、「などか御子をだに持たまへるまじき」
(どうしてあなたはせめて御子だけでもお産みくださらなかった
のでしょうか)という言葉です。

これはとても深い意味を持つ発言だと思われます。朱雀帝は
譲位するにあたって、朧月夜の産んだ皇子を東宮に立てた
かったのでしょう。もちろん愛する朧月夜腹の皇子だから、と
いうこともありましょうが、もう一つ、自身の母方(右大臣家)の
血筋を皇統の中に残しておきたい気持ちもあったのではないか、
と考えられます。朱雀帝の無念さは、右大臣家の敗退をも意味
するものだったと言えましょう。

ここへ来て朧月夜も、朱雀帝の深い愛と、源氏の愛を比べ、若く
分別のないまま、あのような騒動まで引き起こしてしまった我が
身を情けなく思っているのでした。

この場面、詳しくは先に書きました、全文訳「澪標」(1)でお読み
いただければ、と存じます(⇒こちらから)。


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コメント

No title

ばーばむらさき 様

真っ赤になってしまった眼が「結膜下出血」と診断されたとのこと、
大きな眼病ではなくてほんとうに良かったですね。

実は私ももっと若い時ですが、ときどき「結膜下出血」になりまして
本人は違和感があってもそれほどの痛みはなく、まわりをぎょっと
させておりました。

わたしの場合は眼の使い過ぎ、身体の疲れた時でした。一度そうなりますと
再び同じことになることがあります。お気をつけください。

「澪標」始まりましたね。勉強させていただきます。

No title

この厳しい暑さの中での不調はこたえますね。書物を読むにせよ、ものを書くにせよ、目は大事なパートナーです。私は目が良すぎて、早々に「お年頃メガネ」が必要になりました。場面に合わせた使い分け、なかなか手間です。ちょっとしたレンズの曇りでも、目には大きな負担になります。おつらいことですね。早くご快復なさいますように。
御目の患いに悩まれた朱雀帝。実在の三条帝とも重なり、おいたわしいです。
朧月夜腹の皇子を求めた朱雀帝の思い、なるほどそういうことでしたか。愛情だけではない、朱雀帝なりの無念に気付き、読みが一層深まりました。なよなよとした印象で、強い個性をもった母のいいなり。なんでも源氏に気圧されてしまう朱雀帝ですが、単に男の嫉妬でネチネチ責めているわけではなく、政治的深慮が背景にある言葉なんですね。さらにこの後、女三宮のことでも挫折を味わうわけですから、朱雀帝の口惜しさが厚みをもって迫ります。

No title

keikoさま

コメントを有難うございます。

keikoさまも「結膜下出血」を何度か経験されているのですね。

ここまで目が赤くなったのは初めてのことで、先月から点眼を始めた緑内障の薬の副作用だとしたら困るなぁ、と思っておりましたが、そうではないとわかり、安心して昨夜は目薬を点しました。

酷暑での疲れなのか、次から次へと身体の不調が出て来てイヤになります。まぁ歳も関係しているのでしょうね(^_^;)

ようやく第14帖『澪標』に入りました。引き続きよろしくお願いいたします。

今週もまだ猛暑日が続きそうです。keikoさまもどうぞ気をつけてお過ごしくださいませ。

No title

吹雪 文音 さま

コメントを有難うございます。

目のことではご心配をおかけし、申し訳ございません。年齢が年齢なだけに時間はかかりそうですが、だんだんと回復に向かっておりますので、ご安心下さいませ。

この場面での朱雀帝の思いは複雑だったと思います。源氏に対する嫉妬も手伝って、朧月夜にあれこれと嫌味も言いますが、根底にはこうした政争絡みの血脈の問題があったと考えられます。

第一部では、言わば負け組となった、朱雀帝と頭中将ですが、第二部で源氏を苦悩させるのがこの二人の子供たち(女三宮と柏木)であるのも、作者がどこまで意識をしていたかはわかりませんが、因縁のようなものを感じますね。

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No title

鍵コメさま

ご心配をおかけしましたが、ここからは「日にち薬」で回復しそうです。

免疫力は何につけても大事ですよね。気をつけたいと思います。
アドバイスを戴き、有難うございました。

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