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「内大臣」という地位

2023年8月24日(木) オンライン「紫の会・木曜クラス」(第37回・通算84回・№2)

昨日が二十四節気の「処暑」でした。毎年この頃になると、
「処暑とはよく言ったもので、さすがに暑さも落ち着いて
来たなぁ」と感じるのですが、今年は未だ猛暑が衰える
気配を見せません。あと1週間で9月です。酷暑の日々は
どこまで続けば気が済むのでしょうか。

このクラスも、今日から第14帖「澪標」に入りました。

京に召還され政界に復帰した源氏は、ここからは出世街道
をまっしぐらに進み始めます。

源氏が京に戻った翌年(源氏29歳)の2月20日過ぎ、朱雀帝
は譲位、東宮が新たな帝(冷泉帝)として即位なさいました。
新帝の後見をするのは源氏です。前年に権大納言に昇進
したばかりの源氏でしたが、早くもここで内大臣という地位を
得ます。

内大臣は令外の官(律令で規定した大臣ではなく、定員外
の大臣)で、必要に応じて就任するのですが、この頃からは、
単に左右大臣に次ぐ地位というだけではなく、摂政(幼帝の
権限を全面的に代行)・関白(成人した天皇を補佐)に直通
する特別な地位として任ぜられるようになっていました。

醍醐天皇の外戚として内大臣に昇進した藤原高藤、円融天皇
の関白として権中納言から内大臣に昇進した藤原兼道。一条
天皇の頃には、内大臣には実権を握る外戚が就くようになり、
関白となった道隆、道兼と続き、伊周(道隆の嫡男)に至っては、
21歳で内大臣となっています。父の道隆が、一条朝の外戚と
しての地位を中の関白家で固めるためだったと考えられます。
しかしながら、伊周が内大臣に就任した翌年、道隆は死去。
中の関白家の夢は道半ばで潰えました。

話が逸れてしまいました🙇『源氏物語』に戻します。

内大臣となった源氏は、そのまま摂政として政務に携わるべき
ところを、致仕大臣(もとの左大臣)に譲ります。

朱雀帝の御代に、右大臣一派が権勢を欲しいままにしている
のが面白くなく、病気を理由に辞任した致仕大臣でしたが、
源氏をはじめ、周囲に強く押されて、摂政太政大臣として政界
復帰を果たしたのでした。源氏としても自分一人ではなく、
致仕大臣も引き込んで、冷泉帝の後ろ盾を盤石なものにしよう
という意図があったのだと思われます。

東宮の即位から、源氏一門で政権を握るに至るまでの話の
詳細は、先に書きました全文訳「澪標」(2)をご覧頂ければ
と存じます(⇒こちらから)。


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コメント

No title

先生、昨日はありがとうございました。
お気づきになられていらっしゃったかもしれませんが、最初の箇所の講読、訳して下さるるところで、やっぱり居眠りをしてしまいました💦すみません!
あと、自分の音読の番だということをうっかり失念していました😂あたふたと、たどたどしくてすみませんんでした🙇

「澪標」に入って、この後はほとんど内容を知らないので、よけい楽しみです。
朧月夜さんですが、、なんででしょう?私、この人、結構好きなのです。
多分、自分に似ているとかはないとは思うのですが、、😆(いや、意志の弱いところとかが似てるからかなあ😂)
朱雀院の深い愛情に、ちゃんと心を打たれて、感情が動くところが好きです。
源氏物語の中で、どの女君が一番好き?となると、大いに迷って、決められないところがあるのですが、、。

先生が色んなお話をして下さるのがとても楽しいです。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

No title

タニグチさま

コメントを有難うございます。

昨日は朝3時に起きて、5時半からのお仕事に出かけられ、午後一番での講読会では、いくらオンラインとは言え、お疲れだったと思います。ご参加頂き、有難うございました。

音読も、とてもいきなりとは思えないお上手な読みでしたよ。

朧月夜も、源氏と出会ったのが、おそらく10代の半ば頃。それから10年近くが経ち、大人の女性としての分別がついて来た時、ただ己の気持ちに正直に生きることしかできなかった若き日の自分を、悔いるようになっていたのですよね。

『源氏物語』の女君で誰が一番好き、は、それぞれだと思います。それだけ一人ひとりの個性が描き分けられているということでしょうね。

こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。

No title

このごろも、権力闘争が繰り広げられていたのですね。
現代でも、長年政治家をされている方が多いのですが、ハードな仕事でもかなりの旨みがあるのだろうなと思ってしまいます(^^;;

No title

utokyoさま

コメントを有難うございます。

この時代の権力闘争は、天皇の外戚となって権力を手中に収めることを巡って行われていたので、源氏もこの先、六条御息所の娘(のちの秋好中宮)、明石の姫君、を入内させて、自身も政権のトップに上り詰めることになりますね。

一条朝の政権争いは、来年の大河ドラマのテーマの一つになるはずですから、どのように描かれるのか、今から楽しみです。

まだ厳しい残暑が続いております。utokyoさまもどうぞ気をつけてお過ごしくださいませ。

No title

8月最後の夜に月を観ようと外に出ましたら、川風がずいぶん涼しくなっておりました。それでも、日中の猛暑は相変わらず衰えを知りません。小さな秋の気配を探しながら乗り切るしかないのでしょうか。一条帝の後宮には、定子と彰子が並び立ち、それぞれを盛りたてる女房たちが才を競い、女房文学隆盛期を迎えますね。書店には、来年の大河ドラマ関連の本が多く並んでいます。「源氏物語」だけではなくて、平安文学全般、貴族社会の内情、当時の宗教界についてなどなどさまざま関心が寄せられているようです。楽しみですね。

No title

吹木 文音 さま

コメントを有難うございます。

昨夜の「スーパーブルームーン」は綺麗で、心身が浄化されるようでしたね。東の空、西の空に浮かぶ満月の写真を撮ったので、今日はブログにUPしようかな、とも思っていますが、如何せん写真がピンボケで・・・( ;∀;)

一条朝の後宮を巡る権力争いは、史実ながらドラマを感じさせますよね。来年の大河ドラマでどのように描かれるか、楽しみです。今日の朝刊に藤原隆家役が決まったとありましたが、全く名前も顔も知らない俳優さんです。来年は大河ドラマを見ながら、若手の俳優さんたちの名前も覚えなくては、と思っています(笑)



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