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柏木の思い

2016年11月28日(月) 溝の口「湖月会」(101回)

先週の雪が降った頃に比べると、少し寒さも和らぎましたが、
それでも、風が冷たい一日でした。もう今月最後の例会と
なりました。

11月11日のブログでは、夕霧の女三宮評をご紹介しましたが、
今日は、柏木の女三宮への思いを書きましょう。

夕霧が、女三宮に仕えている女房たちの様子から、その女主人
である女三宮の人柄を、冷静に分析しているのに対し、柏木は、
ただ女三宮への思いが先行していて、最初から「恋は盲目」の
様相を呈しています。

柏木は出来るだけ身分の高い女性を妻にしたいという願望を
抱いていたので、女三宮への恋心もそこからスタートしたもの
でした。

女三宮が、父・朱雀院に特別に可愛がられている女御腹の皇女、
というだけで、柏木にとって女三宮は理想の女性に値したのでした。
実際に柏木の妻となった女二宮が、ワンランク下の更衣腹という
だけで、柏木は「どうして自分は落葉のほうを拾ってしまったの
だろう」と嘆いています。そのため、気の毒にもこの方の呼称は
「落葉の宮」です。

朱雀院は、婿選びの時点では、柏木は将来有望な青年ではある
けれど、まだ女三宮の婿には不足として、退けられたのでした。

しかしながら、柏木は、源氏に降嫁の後も女三宮を諦めきれず、
女三宮の乳母子である小侍従という女房を手なづけ、女三宮に
関する情報を収集していました。「源氏の寵愛では、女三宮は
紫の上に負けている」という噂を耳にすると、「自分なら女三宮に
そんな思いはさせないのに」と、柏木は考えているのでした。

でも、まだ今回読んだところでは、柏木は「密通」などといった
大それたことをしようと思っているわけではなく、源氏が出家
なさって、女三宮がお一人になられることでもあったら、その時
にこそ、と思っている程度でした。

柏木がいよいよ恋の炎を燃えたぎらせて行くのは、一匹の唐猫が
きっかけとなり、女三宮の姿を見てしまってからです。次回がその
場面となります。


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