fc2ブログ

ちょっとだけ古典文法(14)

2017年8月1日(火) 高座渋谷「源氏物語に親しむ会」(統合67回 通算117回)

今日から8月ですが、大荒れの幕開けとなりました。

お昼過ぎに家を出た時は、まだ雨は降っておらず、高座渋谷に着いた時は
降り出してはいましたが、屋根伝いに数メートル歩けば、もう学習センター
ですので、傘は使いませんでした。

講読会を始めてしばらくすると、辺りは真っ暗になり、稲光と共に、雷鳴が
とどろき、土砂降りという表現を通り越した雨の叩きつけているのが、窓越し
に見えます。「あっ、停電!」、おそらく落雷によるものでしょう。非常灯だけの
中では読み進めることは困難で、どうしようかしら、と思っていると、間もなく
電気は点きました。

普通は、夕立の後はすっきりと雨は上がるものですが、今日はそのまま
本降りになってしまいました。それでもまだ帰宅するまでは冠水している
所もなく、傘だけあれば充分だったのですが、それからしばらくすると、
とても外を歩ける状態ではなくなりました。近隣の市では避難命令が次々
発令される事態となって、これはもう、梅雨の期間に降った総雨量よりも、
今日一日の雨量のほうが多いのではないでしょうか。今(22:00)は、
雨も止んでいます。

長い「気象報告」になりましたが、「ちょっとだけ古典文法」の14回目です。

「る・らる」「す・さす・しむ」に続き、「未然形に付く助動詞」3回目の今回は、
「打消」の助動詞「ず」です。

助動詞で覚えなければならないのは、次の三点(「意味」・「活用型」・「接続」
でしたね。「ず」についても、この三点を見てまいりましょう。

★覚えることその①⇨「意味」「打消」(~ない ~ぬ)という意味で、現代語では、
 一般的に「否定」と言いますが、古文においては「打消」と言います。

★覚えることその②⇨「活用型」「特殊型」
 「ず」という助動詞の覚えなければならない三点の中で、一番面倒なのは、
 この「活用型」です。「特殊型」とは、文字通り、用言の活用を応用することが
 出来ない特殊な活用をする、ということです。ですから、「特殊型」の活用は、
 そのまま暗記してしまうしかありません。

 語   未然形  連用形  終止形  連体形  已然形  命令形   活用型
       ず     ず     ず     ぬ     ね     ○
 ず                                           特殊型
      ざら    ざり     ○    ざる    ざれ    ざれ

⦿「ず・ざら  ず・ざり  ず  ぬ・ざる  ね・ざれ  ざれ」と覚えましょう。

⦿一般的には、「ず ず ず ぬ ね ○」のほうを「本活用」、
 「ざら ざり ○ ざる ざれ ざれ」のほうを「補助活用」と言います。
 「補助活用」は、「ず」の直後に助動詞がある場合に用います。
漢文を訓読する際も、補助活用が多用されています。
 
 京には見え鳥なり。(京では見ない鳥である)
 淵瀬さらに変はらざりけり。(淵も浅瀬もまったく変わらないなあ)
 子何不行仁政。(子何ぞ仁政を行はざる。)

★覚えることその③⇨「接続」未然形に付く
 「ず」は、活用を持つ語の未然形に付きます。

「ず」は、助動詞の中でも使用頻度の高い助動詞です。特に連体形の「ぬ」は、
完了の助動詞「ぬ」の終止形との区別が必要になりますが、それは完了の助動詞
「ぬ」のほうで説明したいと思います。

---------------------------------------------------------------------

「源氏物語」の講読は、「若菜上」の2回目、朱雀院が、ご自分が出家なさるにあたり、
一番気掛かりな、女三の宮の婿選びを始められたところを読みました。

朱雀院の御子は一男四女の五人です。男御子は東宮となり、源氏の娘・明石の姫君
が入内なさっています。四人の女宮のうち、他の三人には母君という後見人がついて
いらっしゃるのですが、女三の宮の母・藤壺の女御は、すでに他界なさっていました。

この藤壺の女御は、先帝の御子ですが、更衣腹で、源氏姓を賜って臣籍降下なさった
方でした。ですから、紫の上の父・式部卿の宮や、源氏の永遠の女性・藤壺の宮と、
異腹の兄妹、ということになります。

朱雀院が東宮時代に入内され、中宮になられても不思議ではないお方でしたが、
朧月夜の勢いに圧されて、女三の宮一人を残し、入内した甲斐もないまま亡くなって
しまわれたので、朱雀院には藤壺の女御に対する申し訳なさも加わって、いっそう
女三の宮を溺愛なさっていたのです。

皇女は独身を通す、というのが前提であった時代、それでも父・朱雀院や、
女三の宮の乳母は、この先、朱雀院に替わって女三宮を庇護してくれる後見人が
不可欠と考えて、女三の宮をしかるべき男性のもとに降嫁させようとしています。
これは、そうしなければ、女三の宮が自立してやって行ける女性ではない、と
いうことを意味するものです。でも、この女三の宮の頼りなさが、七年余りの後、
六条院の内部崩壊の要因となろうとは、まだ誰も思ってもみないことでした。


スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

訪問者カウンター