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気乗りがしない縁談

2019年4月17日(水) 湘南台「源氏物語を読む会」(第212回)

このクラスは今月から第49帖「宿木」に入りました。

第48帖「早蕨」は、匂宮によって京へと迎え取られた中の君が、
宇治から二条院へと移り住んだところまでが描かれていました。

「宿木」の巻は、そのまま舞台を京に移し、時間を少し戻して、
薫や匂宮に縁談が生じるところから語り始められます。

今上帝は、母を亡くした女二宮の婿として薫に白羽の矢を立てられ
ます。夕霧も、自慢の娘・六の君の婿には薫を、と目論んでいました
が、帝が婿にとご所望である以上、薫は断念せざるを得ず、最初に
考えていた匂宮に再び的を定め、やがて結婚の運びとなって行きます。

ところでこの縁談には、薫も匂宮にも喜びや期待感はありません。

薫には大君という忘れ得ぬ女性があり、帝から直接女二宮の降嫁を
仄めかされても、少しも嬉しくはなく、これが后腹(中宮所生)の女一宮
なら話は別だが、などと大それたことを考えているのでした。同じ皇女
でも、ワンランク上の相手を望むというあたりが、実父・柏木のDNAを
受け継いでいるなぁ、と思わせます。

匂宮も、右大臣(夕霧)家の婿になると、これまでのような自由気儘な
生活は許されず、お堅い夕霧が岳父では何かと窮屈であろうと、この
縁談には気が進みません。が、母・明石中宮に説得され、「まあ権力者
の夕霧を敵に回すのも得策ではないな」というところで、承知した話
でした。

結果として、結婚後も薫は女二宮に満足することはなく、一方の匂宮は
思った以上の女性であった六の君に心惹かれることになります。

宇治では大君を絶望の淵に追いやることになった匂宮の縁談ですが、
京ではこれが普通の結婚であり、むしろ宇治の山里に住む没落宮家の
娘との結婚のほうが異常であることを、我々も都が舞台となって視点が
変った時に理解出来る仕組みとなっています。巧みな構成ですね。


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