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薫の興味の対象

2019年8月26日(月) 溝の口「湖月会」(第134回)

「処暑」の頃から、本当に暑さも遠のいて凌ぎ易くなりました。でも、
これも明後日までのようで、木曜日からはまた厳しい残暑が復活
するそうです。

このクラスも第2金曜日のクラスと同じように、今月から「宇治十帖」
に入りました。第45帖「橋姫」です。

先ずはプロローグ的な八の宮の紹介を中心に、薫が初めて宇治の
山寺の阿闍梨から八の宮の話を聞き、興味を覚えるところまでを
読みました。

京の邸が焼失して、宇治の山里に移り住んだ八の宮にとっては、
阿闍梨の存在が唯一の救い、と言っても過言ではなかったでしょう。
八の宮は阿闍梨に師事して、ますます仏道に傾倒していき、阿闍梨
もまた、八の宮の生き方に感銘を受けておりました。

阿闍梨が京に出て来たついでに冷泉院のもとに立ち寄り、八の宮
の話をした時、薫も傍に居て一緒に聞きました。

幼い頃から、自分の出生に疑念を抱いて出家を願っている薫は、
「俗聖」と呼ばれている八の宮に心惹かれ、会ってみたいと思います。
宇治へと帰る阿闍梨に、ぜひ八の宮に教えを乞いたい、と、仲介を
依頼しました。

この時、阿闍梨は八の宮の二人の姫君の琴の合奏の素晴らしさなど
も話しましたが、姫君たちに興味を持ったのは49歳になる冷泉院の
ほうで、「もし八の宮亡き後、自分が生きていたら、朱雀院が愛娘の
女三宮を、弟の源氏に託されたように、八の宮も、弟の自分に姫君
たちを託して欲しい」と、おっしゃるのでした。

20歳の薫のほうが若い女性に興味を示さず、逆なのが面白いですね。

その薫が、大君(八の宮の長女)にひたむきな慕情を抱くきっかけと
なる垣間見(国宝源氏物語絵巻「橋姫」の場面)迄に、足掛け三年の
月日を要します。匂宮なら、即座に姫君にアタックしていたでしょう。

このように心に弱さを秘めた薫を主人公として展開する恋物語が、
源氏の恋と異質であるのは当然です。再生した「源氏物語」を、
しっかりと味わって読んでいただきたいと思います。


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