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薫の正妻「女二の宮」

2019年11月20日(水) 湘南台「源氏物語を読む会」(第219回)

講読会を終えて、日が落ちかかった外に出ると、風がとても冷たく
感じられました。コートを着て歩くと汗ばむ程だった昨日に比べ、
一足飛びに冬がすぐそこまでやって来た気がします。

湘南台クラスは第49帖「宿木」の終盤に入りました。

薫は26歳という若さで権大納言に昇進し、裳着(女子の成人式)を
済ませたばかりの16歳の女二の宮と結婚しました。

薫の実父・柏木の正妻も女二の宮でした。こちらは朱雀院の第二皇女
で、薫の正妻は今上帝の第二皇女です。共に夫の目は妻以外の女性
に向けられており、二人の女二の宮の結婚は幸せとは言い難いもの
です。

柏木は結婚後も、意中にあるのは女三の宮ただ一人でした。一方薫
の心には今なお忘れられない亡き大君がいて、しかも今はその妹で
ある中の君に心を奪われています。この先も、浮舟が登場し、また薫の
永遠の憧れの女性・女一の宮(女二の宮の異母姉)と比較されもして、
女二の宮は決して薫の愛を得ることのないまま物語は終わっています。

おそらく女二の宮が暮らしに困ることなど、この先も皆無でありましょう。
でも、一人の女性としてこれではあまりにもお気の毒、と思うのが、また
人情というものではないでしょうか。

「山路の露」という、「源氏物語」の成立から200年位後に書かれた
「宇治十帖」の続編があります。さほどその後の話が進展することも
ない続編ですが、女二の宮が薫の子を懐妊しています。おそらく、
「山路の露」の作者(世尊寺伊行か、その娘の建礼門院右京大夫と
言われている)も、この不幸な結婚生活を送っている女二の宮に同情
して、何かしらの幸せを与えて差し上げよう、と考えた上でのことでは
ないかと、私は思うのです。


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