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第10帖「賢木」の全文訳(1)

2020年9月24日(木) オンライン「紫の会・木曜クラス」(第2回・通算49回・№1)

こちら木曜クラスも今月は、月曜クラスと同じ第9帖「葵」の最後と
第10帖「賢木」の冒頭を読みました。「葵」は月曜クラスのほうで
書きましたので(⇨⇨こちらから)、今日は少しですが、「賢木」の
最初の部分になります(127頁・1行目~128頁・3行目まで)。
(頁・行数は、「新潮日本古典集成 源氏物語二」による)

斎宮の下向の日が近づくにつれて、御息所は何となく心細くお思いに
なっております。高貴で煙たい本妻だと思われていらした左大臣家の
葵の上がお亡くなりになった後、「たとえしっくりいってなかったとしても、
今度は御息所が本妻の座におつきになるのでは」と、世間でも噂申し
上げ、野宮の内部でも期待に胸をときめかせておりましたが、葵の上
亡き後は却って源氏の君のお通いがふっつりと途絶え、あきれるほど
冷たいなさりようをご覧になるにつけ、「源氏の君が心底嫌だと思われ
ることがあったのであろう」と、御息所はすっかりお悟りになったので、
一切の未練を断ち切って、ひたすら斎宮と共に伊勢に下向しようと
なさっております。

斎宮に母親が付き添って一緒に下向したという先例はないことだけれど、
斎宮がまだお一人で行かせるには忍びないお歳であることにかこつけて
源氏の君との辛い関係を解消しようと、御息所はお考えでしたが、源氏の
君は、さすがに御息所が「もうこれっきり」と、遠くへ行っておしまいになる
のも、残念に思われて、お手紙だけはしみじみとした書きぶりで、度々遣
わしておられました。

源氏の君にお逢いになることは今更とんでもないことだと、御息所もお思い
でした。「あちら(源氏の君)は、私に対して気に食わないと、根に持って
いらっしゃることもあろうし、自分は自分で逢えばいっそう物思いが募るに
違いないので、つまらないことだ」と、ご自身に強く言いきかせようとなさって
いたのでありましょう。


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